zaimclinicによるブログ
銀行が融資を実行するか否かの判断を下す際、審査部門では「定量情報(数字)」と「定性情報(人物・事業内容など)」の両面から総合的に企業を評価します。以下、それぞれの観点から具体的に解説します。
1. 財務内容の健全性(定量的審査)
財務三表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)をもとに、以下のような指標がチェックされます。
■ 自己資本比率
- 企業の総資産に対して自己資本がどの程度あるかを示す。
- 30%以上が一つの目安。20%を下回ると財務体質が弱いと見なされる傾向があります。
- 自己資本が少ないと...
「資金が尽きる前に」経営者が知るべきキャッシュフロー管理術
1. はじめに
企業経営において「利益」と「キャッシュフロー」は密接に関連しているものの、決して同じものではありません。多くの経営者が「黒字なのに資金が不足する」という状況に陥ることがあります。これは、売上が計上されても、実際の現金の入金が遅れることで発生する「黒字倒産」のリスクを示しています。
たとえば、売上が増加している成長企業では、仕入れや設備投資の先行支出が必要になります。しかし、売掛金の回収が遅れたり、想定外の支出が発生したりすると、資金繰り...
【資金繰り改善のための「経営者のマインドセット」】
1. はじめに
企業経営において、資金繰りの問題は多くの経営者が直面する大きな課題です。特に中小企業やスタートアップにとって、資金の流れが滞ることは事業の継続を左右する重大なリスクとなります。
資金繰りの改善というと、多くの経営者は「売上を増やす」「コストを削減する」といった具体的な施策を思い浮かべるかもしれません。しかし、資金繰りの根本的な改善には、単なるテクニック以上に「経営者のマインドセット」が重要です。どのような考え方を持つかによって、キャッシュフローの...
【返済が厳しいときのリスケジュール交渉法と成功事例】
1. はじめに
事業や個人の資金繰りが厳しくなり、ローンの返済が難しくなることは珍しくありません。しかし、そのまま放置すれば、延滞が続いて信用を失い、最悪の場合は資産の差し押さえや破産に至ることもあります。
こうした状況を回避するために有効な手段の一つがリスケジュール(返済条件の変更)です。リスケジュールを成功させるには、金融機関との適切な交渉が欠かせません。しかし、
- 「リスケジュールを申し込むと信用に影響が出るのでは?」
- 「銀行はどんな条件で応じてくれるのか?」
- ...
事業縮小か?立て直しか?資金繰り危機の判断基準
1. はじめに
企業経営において、資金繰りの悪化は突然訪れるものではなく、徐々に進行することがほとんどです。売上の低迷、コストの増加、資金調達の難化など、さまざまな要因が積み重なり、最終的には資金ショートの危機に陥ることもあります。
こうした状況で経営者が直面するのが、「事業縮小」か「立て直し」かの選択です。どちらを選ぶかによって、企業の将来は大きく変わります。
判断を誤ると、さらに深刻な経営危機を招く可能性があります。
- 事業縮小すべきところを無理に立て直そうとすると、...